古い文化と今の生活3
一一月二九日設計開始の打ち合わせの日取りを決める。
夜、現況を大体見て回り、ソファー ベッドなどの日常生活に利用している部分の状態を把握する。
虫籠の内部とか、屋根裏等はまだ判らず。
一二月二日夜、家族全員と全体構想の話し合い。
この建物は約八〇年前に建てられたものであり、長尾氏は四代目に当たり、代々、大切に住んできたし、先代の遺志もあるので、現代生活に合わなくなったからといって簡単に壊して建て替えるわけにはいかない。
とくに表の虫籠窓や、重厚なベンガラ格子等は、京都の伝統的な町屋を構成しているものだし、京都に生まれ育ったわれわれとしては是非とも保存して後世に伝えていくのがよいことではないか。
使用材料等も、今日揃えようとしても手に入らないものが多い。